2014年10月27日
ロングクルージングと座礁
座礁は必須?
長いクルージングをしていると座礁は起こすものとして認識しておくものではないでしょうか? いやいや現世の、このGPS万能の時代になりありえないことと反論されそうです、古いなあと。
今までの体験では、日本周航をした時でも、最初に一番知っているはずの母港で、オートパイロットのないシングルハンドでしたから舵を手放して出港後のかたずけをしているときに、不注意に船首をぶつけてFRPをこすったことがあります。こんなことが起こります。造船所にもって行って修理をしようかと悩みましたが、船首部分は2重底の処理がしてありましたので強行しました。幸いにもその後の3か月にわたる2000マイル航海を無事に終えました。
地中海で乗っているときは、イタリアのサルジニア島の北端の狭いパス・水路を通航するときも水路の中央でのし上がり行足が止まり、エンジンがウンウンとうなりだしました、幸い底が砂地だったので何とかダメージもなく切り抜けました。狭い水路なので潮流があり、局所的に流れで砂が堆積した場所のようでした。チャートには記載がありません。
本当にダメージを受けた乗し揚げは、大西洋を横断するために地中海を西行してジブラルタルに向かっている時でした。途中の岬の灯台を向けて航行中、霧になって視界が悪くなりました。サテライトナビゲーターの時代でしたので、今のような便利なチャートプロッターもレーダーも装備していません。本当の地文航法です。見えている時でしたら灯台に接近する前に、灯台との正横距離を安全にとるよう針路を変更するところですが、灯台に向かって行ってしまって、崖の上の道路を走る車のライトが飛行機のライトのように見え,なんだ何だといっている間にドスンでした。そのまま夜が明けるまで待機です。霧が晴れて朝を迎えますと、すぐ近くに灯台があり崖上の道路の車の動きも目にしました。納得しましたが後の祭りです。これも自力で潮が上がってきたのと機関で回復して、近くのマリーナに直行です。浸水はありませんでしたが、ガラス繊維のコーテイング修理で3−4日かかりました。今なら避けられるかもしれません。おまけに当時はバリバリの外航現役航海士(己のこと)が乗船していての事故ですので、お恥ずかしい限りです。
こんな体験を踏まえてロングクルージングには座礁はつきものと心得たほうが良いとアドバイスしています。
座礁という意味ではハルスタイルはロングキールで材質はスチールがおすすめですが、それにも増してこれだと、港内での操船の不自由やメンテナンスが大変やら鈍足の問題を抱えてしまいます。自分の技量と予算でのヨット選びも大切ですね。
2014-10-27
posted by はやめ at 03:43| Comment(0)
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