2019年10月12日

ウィンドサーフィンで初めて大西洋を横断した男 その1



イビサ物語〜ロスモリーノスの夕陽カフェにて 第88回     佐野
 
イビサで暮らし始めて2、3年経ってからだと思うが、私は中古のウィンドサーフィンを買った。なんせ、目の前に海が広がっているのだ、1時間の暇でもあれば、自分のアパートからボードとセールを担ぎ降ろし、ウィンドサーフィンを楽しめるではないか。 ほとんど理想的な場所に住んでいるのだから、やらない方がどうかしている…と思ったのだ。加えて、トップレスでビキニの下だけ付けた細身の女性たちが身体を反らせ、まるで海の上を滑るように、飛ぶようにセーリングしていたから、ヨシ、俺も! と、気合が入ったのだった。

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夏には観光客で満杯になる人気の海岸、Playa d'en Bossa

ウィンドサーフィンのボードとセール一式は、『カサ・デ・バンブー』の常連でプラーヤ・デンボッサ(Playa d'en Bossa)の海岸でウィンドサーフィン・スクールをやってるホアンに頼み、初心者用のモノを安く譲ってもらった。
さて勇躍、海に乗り出したまでは良かったのだが…。 
ウィンドサーフィンを始めるには、初めの数時間、人に笑われる覚悟がいる上、思いっきり笑われても良いと尻をまくらなければならないと思い知ったのだ。ボードの上に立つまで何十回と落ち、やっと立ち上がっても、セールを引き上げる時、不安定なボードにヘッピリ腰で立ち、この海にべったり漬かった意外に重いセールを海面から引き離すのは、まるで海底に沈んだ大きな漬物石を引き上げるような作業だと知った。
そしてやっとセールを海面から持ち上げると、セールの下に風が入り、フワリとマストとセールが浮き上がり、スイッとマストが垂直に立つ道理だが、こちらは満身の力を込めて足を踏ん張り、前かがみの姿勢で腰と腕でマスト、セールを持ち上げるのだから、一旦垂直に立ったマスト、セールは反対側、つまりボードの上にいる本人に反動で覆いかぶさるように倒れてくるのだ。結果、派手に落水する。やっと海面に浮かび上がったはいいが、頭の上に濡れたセールが被さっており、満足に息ができないままあがき、セールを払い避けるようにもう一度潜り、セールに覆われていない海面に顔を出すのだ。
私が喜劇を演じている間、いつの間にか、崖の上にギャラリーが集まり、盛んに声援、ひやかしの罵声を送っているのだった。 
落水を際限なく繰り返すうちに、当然のことだが、私は風に流され、2キロほどフォルメンテーラ島の方向の沖に出てしまった。もうそろそろ、セールをマストに縛り付け、ボードに乗せ、腹這いになってボードに乗り、両手で水をかき、陸へ向かおうとした時、一直線にこちらに向かってくるウィンドサーファーに気がついた。フアン・カルロス先生だった(第48回:ドイツ人医師、フアン・カルロス先生)。
彼がウィンドサーフィンのエキスパートだとは全く知らなかった。フアン・カルロス先生、見るに見かねて、自分のボードを出して私を救助しにきてくれたのだった。「もし、フォルメンテーラに行くつもりなら別だけど、私のボードに乗りなよ…」と言ってくれたのだ。私は彼のボードに腹這いになって乗り、私のボードを細いロープで曳き、『カサ・デ・バンブー』の真下の石コロビーチまで不名誉な曳航を甘んじて受けたのだった。当然、野次馬の嘲笑を散々浴びたことだ。

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ロス・モリーノス海岸。ウィンドサーフィンを優雅に楽しむ…

そよ風程度、しかも静かな海面でどうにかセールに風をはらませヘッピリ腰でセーリングできるようになるまで3日はかかったと思う。しかしそれも、風に運ばれているだけで、方向転換、ジャイブかタックになるのだが、それができるようになるにはさらに2、3週間はかかった。とても、海面を軽やかに舞う乙女たちのレベルにはほど遠く、「ハ〜イ!」などと声をかけ、彼女らを追い抜くとかすれ違うのを密かに夢想していたのだが、夢また夢に終わった。それどころか、水中であがいている私に、彼女ら、彼らから「大丈夫か? 助けてあげようか?」と声をかけられる始末だった。
ウィンドサーフィンも実力に天地ほどの差があり、どうにか落ちないで乗れるようになるのが第一歩で、これはママチャリを漕いで、近くのスーパーに買い物に行けるレベルでは、あのアクロバット的なマウンテンバイクの真似事はできないし、ツール・ド・フランスに出場できない道理だ。ウィンドサーフィンもこれでなかなか奥が深いことを知ったのだった。
フアン・カルロス先生と奥さん、『サン・テルモ』のオーナーのイヴォンヌ、イビセンコの朋友ペペら、周りにウィンドサーフィン狂がかなりいたから、彼らに教えを請い、ご教授願った。一番耳が痛かったのは、「お前ね〜、当面ライフジャケットを着るか、ウェットスーツ(浮力があり、体温の流失を防ぐ)を着た方がいいぞ…」というものだった。流されても、いつもフアン・カルロス先生か他の誰かが助けに来てくれるとは限らないから…と言うのだ。
それでも、シーズンの終わり頃、10月にはヨタヨタ、フラフラしながら風を切る感覚を掴み、セーリングを楽しめるようになったのだった。秋が近づくに従って、強い風が吹き始め、新たな挑戦、戦いになった。私のアパート下の石ころビーチはイビサの町から近いこともあって、夏場は車を持たない人たち、主に地元の人が海水浴、日光浴に訪れる。秋口になると、数は少ないが、ウィンドサーファーがここに集うようになる。
イビサには格好のビーチがたくさんあるが、いずれも駐車場から波うち際まで距離がある。そこへ行くと『カサ・デ・バンブー』の眼下にあるロス・モリーノスの海岸は、車からボードとリグ(マスト、ブーム、セールなど)を降ろし、その場でセットし、海に乗り出せる地の利があった。ただ、コブシ大の石ころビーチなので、フィンやセンターボードを痛めずにスイッとばかりセーリングに移ることができる中級、上級者向けの海岸だった。サーファーたちは濡れた身体のまま『カサ・デ・バンブー』に立ち寄り、一杯引っ掛けるのだった。

イビサの港前の一等地に『エル・モノ・デスヌード』(El Mono Desnudo;裸のサル)というファッショナブルなカフェバーを開いているマイケルはガールフレンドや友達を連れ、ここからウィンドサーフィンで海に乗り出していた。そしてチョイチョイ、『カサ・デ・バンブー』に立ち寄ってくれた。
マイケルが海好きで、豪華な40フィートのスループクルーザー(キャビン付きヨット)を持っていることは知っていた。リークロス(ヨットの両舷に張るキャンバス)に目立ちすぎるくらいの大きさで“El Mono Desnudo”と船名を書いていたから、ともかくもマリーナで目立つヨットだった。何も店の名をあんなふうに宣伝しなくても、彼のバーは夜、空いた席を見つけるのが難しいくらいいつも混んでいるのだから…と思ったのだ。
観光シーズンの終わり頃だったと思う。マイケル御一行が賑やかに『カサ・デ・バンブー』に押しかけてきた。その中にセルジオがいた。
セルジオは痩せ型の筋張った体つき、肩まで届くチヂレタ髪、太陽に当たり過ぎで干からびたような深い皺だらけの顔をしたオーストリア人だった。
-…つづく

 
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  2019-10-12
posted by はやめ at 09:56| Comment(0) | 日記

2019年10月08日

子供を政治の世界に巻き込むな




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 グレタ・トウ−ンベリ さん  2003誕生


 グレタさんが英国・プリマスより大西洋をヨットに乗り15日間で横断してニュ−ヨ−クに着いた。 国連総会にて地球温暖化の演説を世界のトップの前で演説する。 環境大臣の進次郎さんがえらくそれをホメておりました。 しかし、演説後の反響は様々です。

 テレビニュ−スで報じていた演説の一部を見ました。 全部を聞いたわけではないのですが、その時に小生が受けた印象は、彼女が激しい表情・表現をしたからかもしれませんが、紅衛兵かヒトラ−ユ−ゲントの子供たちの演説を聞いているみたいな印象を受けました。

 小生は老人ヨットマンのはしくれなので、気象は少しは詳しいつもりである。台風18号が石垣島から朝鮮半島にむけて中国沿岸に沿って進行しています。 10月にこのコ−スを通るのは普通ではありません。7月−8月の想定される台風コ−スのようです。10月初旬には大陸から寒い高気圧が張り出してきたので、日本沿岸はるか沖を台風が通ってそのシ−ズンを終えます。 18号のコ−スであると、それまでにあと2−3回台風が日本へ来ないと終わりません。
 本日10/7、 実に今度の連休に新しい台風19号が日本に接近してくる予報がでました。まだ今月中は台風シ−ズンなのでしょうか。 こう考えると気象が通常ではないと思わされます。 しかし、地球には氷河期があったように、長いスパンでみると寒暖の大きな幅があるのは事実です。 物事の説明に地球温暖化を小生も取り上げていた時期がありました。 ツバル諸島が沈んで無くなるような報道は事実では無いようです。 温暖化の問題は科学的には今でもまだ解決された問題ではないと小生は考えるようになりました。 既成の事実のように決め込まずに、もっと検討が必要でしょう。

 気候変動の問題に限らず、グレタさんのような子供をマスコミ等で大きく扱い政治利用することは止めようではないか。 ここには、彼女の写真は穏やかなものを上にのせましたが、彼女に批判的な人が取り上げている写真は、彼女の演説中の表情で口の両端にキバでもそえれば鬼のように見える写真を取り上げて、貶めるイメ−ジ操作をしています。

 世界のトップの指導者を前にして、彼らの貴重な時間を割いて子供の演説を聞かせるのは止めていただきたい。 この状況をプロデュ−ス・演出した人は誰だったのか知りたいものです。後ろにいる人は子供を利用するほど焦っているのかもしれません。

 

    2019-10-8


posted by はやめ at 08:45| Comment(0) | 日記